2022年04月06日

DGフィナンシャルテクノロジー石垣 恒氏×QAL startups浅沼 直之 スペシャル対談 Vol.2

カテゴリー:インタビュー/対談

オンライン決済の現状、注目される市場

浅沼:
御社は様々な規模の店舗向けの決済サービスを展開しており、
大規模な店舗から小規模な事業者まで幅広く対応していると思います。
全体的にDX化は、なくてはならない仕組みだと思いますが、進まない業界も多くあります。
キャッシュレス化に踏み切れない業界にはどうやってアプローチしているのでしょうか?

石垣:
進んでいないのは現金利用が前提だった業界です。ひとつ例を挙げるとすると、
請求書で処理をする法人間取引などが該当します。

例えば、飲食店などは個人経営や中小企業が多くキャッシュフローの安定が大事です。
従来請求書で運用されてきた飲食店と卸業者の取引をカード決済やキャッシュレス決済にすることで、
キャッシュフローや業務の効率化が図れると我々の仕組みをご提案することもあります。
キャッシュレス化に踏み切れない業界の例ではありませんが、
オンライン決済の活用方法として「オンライン接客」での活用もあります。

百貨店やファッションビル、アパレルなど、対面で接客・買い物をする業態でも、
店舗以外の販売チャネルを模索しており、その一つとして、SNSやオンライン会議ツールによる
オンライン接客からオンライン決済といった仕組みを活用しているのです。

接客後に購入商品の支払い画面のURLがメールやSNSで送られ、決済画面でクレジットカード情報を入力し
決済が完了します。
このようにオンラインと対面の垣根がなくなっている業態は確実に増えています。
さまざまな業種業態で決済のOMOが当てはまり、それは今回お話をいただいている動物病院の世界でも
同様だと思います。
 

オンライン決済導入時の注意点、必要事項

浅沼:
動物病院では、まだまだ対面でのクレジットカード決済でも抵抗のある先生も多くいます。
現金決済では当然手数料はかかりませんが、キャッシュレスにすることで数%の手数料がかかってしまうのが
一番の懸念事項になっています。

石垣:
キャッシュレス化については、どうしても決済手数料がネックになります。
また、例えばPayPay、d払いなどといったスマホ決済サービスなどを導入する場合、
ユーザーに還元されるポイント原資が、加盟店への決済手数料に含まれている点も決済手数料を負担に感じる
一因だと思います。

一般消費者目線ではキャッシュレスは便利で広がってほしいのですが、
販売事業者側からみれば、現金以外の決済方法だと、自社の利幅が減ってしまうので、
特に粗利率の低い業界は導入要望はあるものの気軽に導入できないという悩みがあります。

しかし、支払方法が現金のみ、振込のみでは不便なことや課題もあります。
ひとつはお客様のニーズを満たすことができず、ビジネスシーンの中で機会損失につながってしまうことです。
また現金でのやり取りは、精算ミスが発生しやすいことや、未払いによるトラブルのリスクもあると思います。

後者の未払いが発生した場合、債権回収のために人員を配置する事業者もあります。
しかし、売上規模として債権回収の人件費を賄うことができないことも多いですし、
人員コストと決済手数料を比べた時にキャッシュレスのほうが得になるという考え方が広まっています。

また、小売業などではキャッシュレス化の判断材料として、決済手数料だけではなく、
販売促進に主眼を置いて導入しているところも多くあります。
コロナ禍で減った需要を回復する起爆剤として、決済手数料をはじめ、
決済サービスを導入するコストが発生したとしても便利な仕組みを導入し消費者の購入促進を図るべきだという
前向きな捉え方をしていただいています。

浅沼:
販売促進として捉えられることもあるのですね。実際にキャッシュレスを導入したことで、
成功したという事例はありますか?

石垣:
大阪の幼児向け商品を扱っているクライアントの事例です。
購買層は20代後半から30代が中心です。その会社が提供していた決済手段はクレジットカード決済のみでしたが、
顧客層に主婦が多いため、楽天ペイを導入することにしました。

楽天ペイは楽天IDに登録したクレジットカード情報を利用し支払いを行うのですが、
決済時にクレジットカードのポイントに加え楽天ポイントも付加されます。
主要な顧客層である主婦層はポイントニーズが高く、今まで楽天市場で購入していた方も流入して
売上が伸びたという実績があります。楽天ペイのポイントが付く分、手数料は少し高くはなりますが、
そのコストを上回るような売上がありました。決済手段の追加がマーケティング施策として成功した事例です。

楽天ペイやApple Payなど、サービスのユーザーアカウントとカード情報を紐づけて、
ユーザーIDを利用して支払いを行う決済手段を「ID決済」というのですが、
ID決済は、お客様にストレスなく購買してもらうために重要なUI/UXが優れています。

クレジットカード決済の場合、カードから支払い完了まで4画面ほど挟まないと購買が完了しないのですが、
たとえばApple Payであれば、住所情報やカード情報はApple IDに登録されている情報を利用可能なので、
入力項目が減ります。またタッチIDで決済まで一気通貫で完了できるため、
支払いボタンを押してから1ページ半ほどで支払いが完了します。

スムーズにストレスなく支払えるため、ECサイトの離脱率の低減に繋がります。
小規模な事業者だと、決済手段の追加は販売促進の意向がより強く、
CMを打つ感覚で導入することもありますし、大規模な事業者でも
レガシーな状態から脱却して新しい風を入れたいと導入することもあります。

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